P-40と言うと、真珠湾でゼロ戦にやられたとか、あまり性能の良いとは言えない戦闘機のイメージを持つ方も多いかもしれませんが、そのスタイルは武骨でかっこいいと、好きな方も多いのではないでしょうか?キットも色々な型のバリエーションが多く出ています。
その昔、オオタキと言うメーカから出ていて、今はアリイから出ている1/48のP-40を作ってみました。
アリイのキットはE型です。ハセガワからもE型が出ています。新旧二つを作り比べて楽しむことにしました。
資料としていつものように世界の傑作機を用意しました。P‐40はP‐51ムスタングが700㎞もの最高時速を誇ったのに600㎞にも届かず、スマートだしエンジンもそこそこで、重量も重いながらもさほどの差も無く、不思議に思います。ムスタングが不思議なのかもしれませんが、小回りの利くゼロ戦も同じぐらいの速度が出ましたから(水平速度)浅い知識では、やはり合点がいきません。でも、P‐40は頑丈な機体性能を生かし初戦こそ苦杯をなめたゼロ戦を一撃離脱戦法でずいぶん苦しめたようです。
そんな話に思いをはせ、アリイのキットにはゼロとも戦ったであろうアリューシャン方面の部隊マークがついていますからそれをチョイス。またハセガワのキットには太平洋方面の部隊マークの入ったものがありましたからそれを作る事にしました。
アリイの取説は素朴ですがとても見やすいです。そして、キットはエンジン付きです。
エンジンはなかなかいい雰囲気で、またパネルもピタリと閉まります。エンジンルームに手を加えて、それを見せるジオラマにする計画としました。
コクピットもまずますのできです。ハセガワはさすがのクオリティーですが、パネルに囲まれるので塗装を済ませました。
アリイのキット、想像力を駆使してエンジンルームのディティールアップをしました。
問題なのは排気管です。整備などでエンジンパネルを開いた時、排気管はエンジンに付いています。キットのパーツはパネル側に付く、ということで、排気管とその周辺のパーツを作らなくてはならなくなりました。
プラ棒を温めて曲げて排気管を作りました。排気管の周りにある仕切り板の様な物も作りました。難しそうでしたがうまくいきパネルもぴったりと閉まります。
アリソンエンジン、それらしくできました。
アリイのキットのキャノピーをオープンにするためにカットしました。
一方、ハセガワのキットは上反角を調整しました。
おおよそ組みあがった所で二つを比べてみました。
さすがに差がありますが、アリイもいい雰囲気だと思いました。そして、なんといってもアリイはリベットのモールドがいいです。
塗装はアリューシャン列島の方はオリーブドラブ、南方戦線の方はダークグリーンとダークアースの二色迷彩です。
二色迷彩にはマスキング粘土を使ってぼかし塗装をしましたが、いい感じにぼかせました。マスキングゾルとのコラボが剝がすのに便利です。
アリイのキットのデカールがひび割れてしまいました。メーカーから取り寄せましたが200円、安かったです。
アリイのキット、スタイリングに重要なパーツ、スピナーの形状を修正してしまいました。
なるべくならキットのままにしておきたいのですが、つい・・・
更に、特徴のある主脚ホイルは、プラ板を丸く切った物を張り付けました。また、ブレーキパイプでディテールアップをしました。
情景用のフィギュアはICMを使いましたが、非常に出来が良かったです。
情景に合わせ、ポーズを少しだけ変えました。
パイロットはアリイのキットのを使いました。頭の角度を変えました。大昔のフィギュアとしては良くできていると思いました。
ICMのフィギュアは塗装して文句なし、です。
各パーツが出来ました。
工具箱はタミヤ1/48ドイツ軍装備品セットの物に、中身は細かなプラ棒やプラ板から作った工具をセットしました。工具の資料が有りませんでしたが、このころは飛行機用も自動車の整備工具とさほど変わならい物だったと言うことを聞いたことがありますので、そんなふうに作りました。
アリューシャンの飛行場は砂地の上に、連合軍独特の穴が無数に開いた鉄板が敷いてあります。それを表現しました。
型を作って紙粘土が乾かない内に、スタンプして跡をつけてみました。うまくいかない所は砂が被さっている風にしました。
ジープ、ドラム缶等はタミヤ1/48、整備台やアクセントの車止めはプラ板とプラ棒で作りました。
ハセガワは機体のみでディスプレイです。
機首のデカールを張ると一気にアメリカ機の雰囲気になりました。